20代で発症も”老眼” たった3秒簡単チェック法

■Q.老眼を遅らせる手はあるのか?

■A.スマホの見すぎで、ピントが合わなくなる
老眼は45歳前後から起きるというのがこれまでの常識でしたが、最近は20~30代でも老眼のような症状に悩まされる人が増えています。
原因は「スマホ」です。

スマホを使いすぎると目に悪影響が出ることがわかっています。「VDT(※)症候群」といわれますが、同じ姿勢で、長時間、近距離でスマホやPCなどの画面を見続けることで起きる、目を含めた全身に不具合を来す病態です。
手元にある近い距離のモノをずっと見続けると、目の中のピント調節を司る毛様体筋がずっと緊張しっぱなしになり、毛様体筋が凝り固まり、慢性化すると疲労してしまいます。ふと目線を移したときにすぐにピントを合わせられないという、老眼に似た症状を引き起こすのです。
また、スマホを見るなど凝視をしている間はまばたきの回数が極端に減り、ドライアイになりやすい。さらには、スマホやPCの画面はそれ自体が光っていますので、つまりはブルーライトも含めた光を見つめる時代になっているわけです。もはやスマホを使わずに生活するのは不可能だと思いますから、うまく付き合っていかなければ、過剰な栄養や糖質による生活習慣病と同じで、環境による重大な目の疾患に陥ってしまいます。

そのためには、使用時間を制限するなど、工夫をすることが大事です。

ここで、簡単な老眼チェック法をご紹介しましょう。まず、親指の爪を目の直前にかざす。その位置から少しずつ目と爪の距離を遠ざけるのです。「ちょうどピントが合う」という距離が30センチを超えていると、老眼の可能性が高いでしょう。

目は全身とつながっています。老眼の進行を遅らせることは、体の老化を遅らせることに他なりません。また、視神経は脳と直接つながっており、外界から得られる情報はすべて脳へインプットされますが、通常の環境においては8割以上を視覚に頼っているという研究結果があります。逆にいうと視覚が脳へ影響を与えるといえるわけです。

目の奥に位置する網膜(眼底)は、身体で唯一、外から血管と神経が直接観察できる部位です。この血管に異常が見つかれば、全身を巡る他の血管の状態にも異変が起きている可能性が高まります。健康で、若々しい状態を維持しているかどうかの指標となりうるわけです。