コロナ休校がもたらすゲーム依存症という災い…知らぬ間に我が子も

新型コロナウイルスの感染拡大で全国の小中高の臨時休校が始まって20日以上が過ぎた。
終業式も卒業式もなく部活も禁じられ、もっぱら自宅でスマホゲームで時間をつぶす子供たちは多い。
なかには、それにはまる場合もある。
ゲーム依存症に陥ることはないのか。

「志望校に合格したご褒美にスマホを買ったのが失敗だったかもしれません。
スマホゲームにはまっていて注意するといったんはやめるのですが、すぐに再開するようになって……。
ゲーム依存症になっているのでは、と主人も心配しています」

こう言うのは、長男が都内の有名私立中学に合格した30代のA子さん。楽しみにしていた3月の海外旅行や、長男が所属していたサッカークラブの試合なども新型コロナの感染拡大で全て中止。
共働きの両親の目が届かないなか、暇を持て余した長男がスマホゲームにはまったという。

「朝から晩まで10時間近くゲームをしています。
公園でのボール遊びは禁止だから友達が集まっても各自がゲームをしているだけ。夜遅くまでゲームをして昼まで寝て体も動かさない。
『学校が始まれば変わる』と期待していますが大丈夫でしょうか」(A子さん)

こうした例はA子さんの長男だけのことではない。
情報セキュリティー企業「デジタルアーツ」が2019年に発表した調査によると、日本全国の10~18歳で携帯電話を持つ子供のうち94・5%がスマホを持っていて、小学生は90・8%、中学95・6%、高校生で97・1%だという。
その多くはゲームを楽しんでいる。
久里浜医療センターのネット依存専門外来担当の松﨑尊信精神科医長が言う。

「ただし、インターネットやゲームが好きだということとやり過ぎとは分けて考えた方がいいでしょう。
親世代はこれらの使用に批判的な人もいますが、ストレス解消できるなど良い点もある。
よく『何時間やっていれば依存症なのか』と聞かれますが、ゲームの利用時間と依存症の明確な因果関係はまだ分かっていません。
注意してやめられる間は健康でしょう」