デジタル眼精疲労の最大の原因は、ブルーライトではない?

スマホの保護フィルムやメガネのレンズをブルーライトカット仕様にしたものの、あまり目の疲れは軽減していない…と感じている方もいるかと思います。
それもそのはず、今年公開された研究からは、ブルーライトのカットが眼精疲労を軽減しない可能性が示されています。
同様に、目を健康に保つためにはブルーライトが最大の敵ではないのかもしれません。

このへんで一度、ブルーライトに関する認識を整理してみましょう。
オハイオ州立大学の視覚研究者で学内クリニックでの診療も行うフィリップ・ユハスさんが、ブルーライトに関するアレコレを、MedicalXpressの記事にて解説してくれています。
ブルーライトは、本当にヒトの目を傷つける?
可視光のなかで最も波長が短いのが青色光。スマホやパソコンの画面はこのブルーライトを大量に発しています。
ブルーライトはエネルギーが高いこともあり、マウスの実験で網膜を傷つけることが示されました。
こうした研究結果から、ブルーライトが加齢黄斑変性なんかの網膜疾患を引き起こすんじゃないかと言われています。
ただし、ヒトへの影響を調べた研究はいまのところなく、マウスの目への影響をそのままヒトに当てはめることが妥当かどうかについて、疑問の声が上がっているんです。
ユハスさんも、ブルーライトがヒトの網膜を傷つけるとの論調に対しては否定的です。
その理由として、ヒトの目はマウスの目とは構造が違うため、網膜に到達する前に青色光の多くが吸収されること、実験通りのダイレクトな照射方法に関しても、自然には起きにくいことを挙げています。
また、スマホやパソコンの画面がブルーライトを発しているといっても、しょせんは晴れた日の日光の10万分の1ほど。
デジタルデバイスをどれだけ長時間使用しても、電磁界情報センター(ICNIRP )のガイドラインから算出した、目の健康にとっての危険水準には達しないとの研究結果もあります。

ブルーライトは、体内時計を狂わせる
それでもユハスさんは、ブルーライトやデジタルデバイスに罪がないとは考えていないようです。
ブルーライトによる主な罪は、網膜の細胞を通して脳内にある体内時計(サーカディアンリズム)を狂わせること。
実際、就寝前にデジタルデバイスで読書すると紙の本に比べて、寝つきが悪くなることが示されていますし、翌日には集中力や脳の活動を低下させることもわかっています。
ただし、ブルーライトをカットするだけでは睡眠の質を改善するのはむつかしい可能性があります。
ブルーライトカットレンズの効果を立証した99件の研究内容をメタ分析した研究では、睡眠の質、パソコン利用の快適さ、網膜への影響に対してのエビデンスが不十分なことが示されています。

デジタルデバイスから目の健康を守る方法
どうやら、ブルーライトにしわざだと考えられがちだった悪影響を軽減するには、デジタルデバイスからの光の量全般をカットする必要がありそうです。
対策として液晶保護フィルムを思いつく方もいるかもしれませんが、多くの製品でカットしてくれる光はスマホを顔から2.5cmほど離すのと同じ程度とのことで、むしろ画面を近づけすぎないよう注意したほうが良さそう。
代わりに以下のような方法を試してみることをオススメします。

就寝前には部屋にデジタルデバイスを持ち込まない
ダークモードを設定して画面からの光の量を抑える
パソコンやスマホを長時間使用する前に人工涙液タイプの目薬をさす(防腐剤無添加のもの)
アプリなどで「20-20-20ルール」を実践する(20分毎に20秒間、20フィート<約6m>先を見る)
疲れ目をやわらげて目を健康に保つ方法については、以前のライフハッカーの記事でも紹介していますので、そちらも参考にしていただければと思います。

デジタル眼精疲労の最大の原因は、ブルーライトではない?

から引用しています。

 

【引用元ページURL】https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191029-00000004-biz_lifeh-hlth